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2025年度WINGCUP 総括

 11月から始まった第16回となるWING CUPが2月末に幕を閉じた。参加団体は9劇団だったが、はちみつ悟り隊が直前にキャンセルして公演は8団体になってしまったのは悔やまれるが、今回も期待通り個性的でとても刺激的な作品が並んだ。

 すべての劇団に「若手劇団の登竜門」として門戸を開くWING  CUPは毎年刺激的な作品が並ぶ。まだ、何者でもない新鋭劇団が自分たちをアピールしながら、ただのショーケースではなく、全力の本公演を見せてくれる。そんな彼らの本気が熱い。

 今回見た8作品、いずれもそんな彼らの熱量が十二分に感じさせる作品ばかりだった。僕は第1回から続けてきた審査員から離れて、今回一観客として作品に接して、同時にこのhp+で劇評を書かせてもらった。それもまた、とてもいい刺激的な体験だった気がする。見た直後にはいつも通り自身のブログ(習慣HIROSE)に簡単な感想をアップして、その後にはこのhp+に三田村さんとふたりで劇評を書く。そんな二度美味しい体験ができた。

 何よりまず、作品の出来以上に作り手の熱意に圧倒された。ここでは個々の作品には触れないけど、このhp+も含めてウイングフィールドがいろんな意味で小劇団を支持していて、たくさんの若い劇団がその熱意に応えて見事に作品を提示したという事実をこの誌面から知ってくれたらうれしい。

 さらには、8作品がまるで違うルックスを持っていたことにも驚いた。自分たちの個性がここまで全面に出ていることってなかなかない。いつもそうだが、初めて見る劇団の芝居を見ていてもどこか既視感は拭えないことが多い。どこかで見た芝居に似ている、と。だいたいがよくあるパターンを踏襲している場合ばかり。だけどここに登場した集団は荒削りながら見たことのない芝居を見せようとしている。そのことが一番うれしい。

 次年度も今回の8団体のようなWING CUPに参加するだけのことがある、と言える気骨ある人たちがこの戦場でさらなる火花を散らして欲しい。

執筆者 プロフィール

広瀬泰弘(ひろせやすひろ
 

1980年頃から小劇場演劇を見始めて現在に到る。90年から2002年までスペースゼロ演劇賞選考委員。この頃から年間150本程の芝居をコンスタントに見ている。演劇情報誌「じゃむち」(93〜98)では創刊から休刊まで劇評、インタビュー等を担当。2019〜21年まで「イマージュ」で劇評。「演劇会議」等にも劇評を書く。大阪春の演劇まつり、HPF(大阪高校演劇祭)審査員は現在も続けている。WINGCUP審査員は昨年度まで担当。

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